プロデューサーレター – 戦争の未来 | EVE Online

プロデューサーレター – 戦争の未来

2023-01-06 - 作者 EVE Online Team

Uprisingを満喫しているカプセラの皆さんへ

EVE Onlineが新たな1年を迎えた今、ニューエデンのカプセラの皆さんは非常にスリリングな状況に置かれています。前線の動きが活発化しており、政治的状況も大きく変化しつつあるのです。2022年11月に実施された拡張コンテンツ「Uprising」のリリース以来、ニューエデンは私たちの予想を超える活況を呈しており、アクティブプレイヤー数が増えました。さらに重要なことに、パイロットの皆さんがより活発に宇宙で活動するようになっています。特筆すべきは、リリース後KAMIKAZEの制約が厳しくなり、アビサルデッドスペースにも変更が加わったにも関わらず、ローセキュリティ宙域におけるPvPでの撃墜数が75%も急増し、ハイセキュリティ宙域におけるPvPでも撃墜数が11%増加している点です。これにより、工業と採掘事業が大幅に促進され、海軍仕様艦関連の生産が14,709%増加しているほか、主力艦関連の製造も34%増加しています! 新年を迎え、私たちはEVE20周年に向けて歩を進めているわけですが、ここで少し時間を取って昨年の出来事や最新の拡張コンテンツを振り返り、さらにニューエデンの今後の展望についても触れたいと思います。

Uprising - 未来の戦争が始まる

国家間戦争をアクションと陰謀渦巻くエキサイティングな場所にするというのが、Uprisingにおける大きな目的の1つでした。宙域の支配はEVE Onlineの根底をなす要素ですが、私たちはより簡単にその状況を把握し、参加できるようにしたいと考えていました。フロントラインの導入は、この根底的なシステムを進化させ、より動的なものにするための最初の大きな一歩でした。 フロントラインとともに新型艦が戦場に登場したほか、既存艦船のバランス調整や、より公平かつ楽しいものにすることを目指した複合施設のリワーク、そしてまったく新しい戦場サイトの追加も行われました。これらが組み合わさり、プレイヤーの皆さんが戦闘に飛び込み、そこから報酬を得る方法がさらに多様化しました。

12月に公開した国家間戦争に関する開発者ブログ記事で言及したように、国家間戦争の平等化に向けた次の大きな取り組みはすでにスタートしています。今年の第1四半期にリリースする次回アップデートでは、私たちが「直接参加」と呼んでいる機能が登場します。これはプレイヤーの皆さんが所属コーポレーションやアライアンスの仲間と袂を分かつことなく、国家間戦争に参加できるようになるものです。

Uprisingでは国家間戦争の全面改修が行われただけでなく、さらなるカスタマイズも可能になりました。1人のカプセラとして存在をアピールすることで、忠誠の所在を知らしめつつ、自分がどういう存在なのか主張することができます。新コーポレーションのパラゴンにより、新たなエージェント、ステーション、そしてミッションとともに、コーポレーションとアライアンスのエンブレム購入に使える新通貨(エバーマーク)が登場しました。しかし、エンブレムの真の長所は、実際に出港してプレイする必要があり、単純に購入しただけでは賞賛を浴びることはできないという点です。これにより宇宙空間にいるパイロットが増え、対立が起きる機会も増加し、パラゴンが創出したニーズに対応する駆け出しの実業家やトレーダーも増えました。今後開発を進めていく中で、ゲーム内での行動を通じてエバーマークを獲得する手段を追加していく予定です。直近の例としては、イベント「Winter Nexus」におけるデイリーログイン報酬が該当します。

Uprisingのリリース時点で100種類を超える艦船でエンブレムが利用可能になり、12月15日にはさらに186種類の艦船がラインナップに加わりました。今後もラインナップを充実させていき、この四半期の後半に予定されている次回アップデートでは、さらに多くの艦船でエンブレムを利用できるようになります。また将来的には、キルマークを目立たせたり、自分たちの支配宙域やシタデルをアピールしたりと、より徹底的なカスタマイズを行えるようにする予定なので、ご期待ください!

より多くのプレイヤーにチームプレイの機会を

参戦したばかりの新兵たちが歴戦の古参兵になり、ニューエデン中で繰り広げられる激戦に貢献できるようになるまでの道のりを整備することは、私たちの以前からの悲願でした。 私たちはゲームの導入部分を再開発しつつ、新規プレイヤーの皆さんに宇宙を舞台に冒険を繰り広げる上での基礎スキルを身につける機会を提供しました。これにより、新規プレイヤーの皆さんが星間戦争においてより有意義な役割を果たせるようにすることに開発の焦点を移せるようになりました。

『どうすれば新規プレイヤーの皆さんの能力を伸ばし、主要大国やコーポレーション、 そしてアライアンスと渡り合えるようになってもらえるか』これが私たちが自問し続けている、ゲームデザイン上の主要課題です。拡張コンテンツ「Uprising」の大部分はPvPに焦点を当てていますが、同時に私たちは戦争への貢献方法を多様化し、より多くのプレイスタイルが許容されるようにすることも目指しています。ローセキュリティ宙域が交戦地帯だとすれば、ハイセキュリティ宙域は前線のための弾薬や装備が作られる銃後にあたると言えるでしょう。 私たちはUprisingの先のことを検討し始めており、国家間戦争から得た教訓を、宇宙のほかの分野に適用するつもりです。プレイヤーの皆さんにこのサンドボックス世界のほかの部分にも目を向けてもらいつつ、初心者パイロットがベテランカプセラにとって見どころのある新人になれるように学習曲線を緩和することが、私たちの目標の1つなのです。戦争兵器がきちんと稼働するには多くのパーツが必要です。前線で領域を巡って戦うのか、あるいは銃後で戦争を支えるのかを問わず、あらゆるカプセラには役割と目的があります。すべてのアイテムは破壊されれば代わりが必要で、この仕組みこそがニューエデンの屋台骨である工業と採掘事業の原動力です。

一方で、多くのリーダーが組織の資金調達という問題に直面しています。規模の大小や活動宙域を問わず、プレイヤーのコーポレーションやアライアンスのリーダーが、賞金に対する税金や、少数からの寄付という形の善意に頼って組織を運営しているという話は何度も耳にしています。プレイヤーグループは、アビスランニングやロイヤルティポイント稼ぎ、マーケットでのトレード、そしてワームホールでのブルールートなど、多種多様なアクティビティを収入源としていますが、前述の資金はそれらを支えるにはまったく足りません。 課税可能な収入経路を増やすことで、艦船補償制度(SRP)などの重要なプログラムを維持しやすくなります。それにより、今後も初心者パイロットがより高難易度のコンテンツに足を踏み入れたり、経験を積んだカプセラが大型艦を危険にさらしたりすることを許容する余地を残すことができるでしょう。私たちはすでに、獲得したエバーマークが1対1の比率でコーポレーションウォレットに入るようにすることで、そういった経路のテストを始めています。これはコーポレーションのLPウォレットを使った最初の実験に過ぎず、今年はさらなる充実を図るつもりです。

資金調達に関し、私たちは競争的収入(以前は受動的収入と呼ばれていたもの)を優先してきました。これは入手、保持、防衛する価値のある収入源を指します。Uprisingでは、国家間戦争にいくつかの新たなゲームプレイシステムを導入しましたが、これらは他の分野にも適用可能なように作られています。フロントラインシステムにより紛争多発エリアを作り出せることが明らかになりました。そういったエリアにはある種の脆弱性があるため、競争的収入を得る格好の舞台となります。システムを非常に守りやすくするより、相当なリスクがあるエリアに価値の高いサイトが存在するという状況の方が、はるかに好ましいというのが私たちの考えです。

プレイヤーの皆さんが戦争に関わる手段を増やすことが、究極の星間戦争の仕組みを作ることに繋がり、ひいてはニューエデンを興奮と陰謀、そして無限の可能性に満ちた、さらに活気ある場所にすることができる。私たちはそう信じています。

友情を育む仕組みから、戦争を生み出す仕組みへ

「友情を育む仕組み」については、以前にも皆さんにお話ししたことがあります。私たちは、ニューエデンの中での社会的繋がりは、EVE Onlineで最も重要な要素の1つだと考えています。プレイヤーの皆さんはフリートやコーポレーション、そしてアライアンスを通じて有意義な友情を育んでいます。そういった社会集団の管理、運営は時として非常に敷居が高く、そこへの参加についても同じことが言えますが、EVEは友人と遊んでこそ最高の体験ができるので、より多くのプレイヤーの皆さんに(特にフリートで)関係性を築いてもらうことはとても重要です。戦場ではベテランと新人カプセラが力を合わせて眼前の目標に挑んでおり、そういった社会組織が新たに形成されていくところを目の当たりにすることは、非常に刺激的です。NPSIフリートなどの公開フリートでは長年にわたって見られてきた光景ですが、開発の次のフェーズでは、そういった部分により焦点を当てたいと考えています。

EVE Onlineが新時代に入りつつある今、私たちはニューエデンに未来の戦争を登場させる取り組みを進めつつ、強固なソーシャルネットワークを構築することで確かな絆を育むつもりです。

EVE EVOLVEDの未来

拡張コンテンツ「Uprising」で行われたビジュアルとオーディオの強化、そしてそれらを支えるパフォーマンスとUIの大幅改善を通じ、EVEの没入感はかつてないレベルにまで向上しています。 一新された壮麗なアップウェルストラクチャのハンガーでは、自らの功績を堪能できるほか、安全なドックからステーションや艦船のスケールを体感できます。Uprisingではオーディオについてもいくつかのアップデートが行われ、感覚体験が強化されていますが、それらすべてを支えているのがパフォーマンスの向上と現代的なUIです。

フォトンUI はここ6か月にわたってテストを行っていますが、現在その使用率は91%を超えています。テストの過程では、プレイヤーの皆さんからのフィードバックのおかげで複数の改善、新要素の導入、そして修正を行うことができました。今後もさらなる改善を行っていくほか、この四半期後半には、完全版マルチオーバービューなどの機能とともにフォトンUIを正式リリースする予定です。 次の10年以降に向けてEVE Onlineを進化させていく中で、同様の規模でのさらなるビジュアル強化や、オーディオとパフォーマンスの大幅改善を行っていくので、生まれ変わったニューエデン星団を堪能できる日をぜひ楽しみにしていてください。

Uprisingの先へ!

ここ数年間行ってきた重要な基礎的作業の甲斐あり、私たちは2018年以来初めてとなる拡張コンテンツ「Uprising」を作り上げることができました。今後は同様の品質の拡張コンテンツをリリースし続けつつ、その間を繋ぐ追加のアップデートやピカピカの新たな“おもちゃ”、そして恒星トランスミューターの事故のような魅力的なワールドイベントを登場させていくことで、ニューエデンの活気と調和を維持することを目指しています。 拡張コンテンツ「Uprising」により、ニューエデンで次世代の戦争を実現するための大きな一歩を踏み出すことができました。そして今後もたくさんの新要素が登場します。以下は初公開となる、EVE Onlineの今後1年の概要がわかるロードマップです!

2023年の幕開け

新年の幕開けを飾るのは祝賀イベントです!1月19日よりEVEに春節が到来するほか、この慶事に合わせてトランキリティが簡体字中国語に対応します。中国本土ではすでにNetEaseがEVE Onlineのサービスを提供しており、同地域向けにセレニティーとインフィニティの2つのサーバーを運営しています。過去20年近くにわたって強力な同盟関係を築き、ニューエデンに影響を与えてきた 中国本土外の中国語話者のプレイヤーの皆さんに敬意を表したいというのが私たちの考えです。

さらに1月末を目途に、Microsoft社と共同開発したMicrosoft Excelプラグインがクローズドベータテスト形式にてソフトローンチされます。昨年のファンフェスでお知らせしたように、この統合により、オメガのカプセラの皆さんはログインするとゲーム内のデータを直接Microsoft Excelに取り込めるようになります。コーディングの知識抜きで簡単かつシンプルにゲーム内データにアクセスできるようになることで、より公平な競争を実現できるでしょう。正式リリースは、EVEが20周年を迎える5月頃を予定しています。 Uprising後のニューエデンとEVEの未来に関するさらなる情報については、本日16:00(UTC)のCCPTVをご視聴ください。CCP ConvictとCCP Burger、そして私が本ブログ記事のトピックをより詳しく紹介します。 20周年を超えれば、EVEを永遠のものにするという私たちのミッションに一歩近づいたことになります。EVE Onlineの20周年に向けて急速に進んでいる私たちの士気は非常に高く、今年登場する新たなゲームプレイ機能やライブイベントの詳細をお知らせするのがとても楽しみです。 明るい未来、そして宇宙でお会いしましょう!

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ゲームディレクター、CCP Rattati