進化したEVE:よりシャープな宇宙空間
優れた審美眼を持つカプセラの皆さんへ
「EVEよ永遠に」の継続的取り組みの一環として、今月3つ目にして最後となる「進化した EVE」のアップデートが登場しました。すでにビジュアル面で高い評価を得ているEVE Online ですが、私たちは引き続き業界のスタンダードを確立し、最高峰のビジュアル体験の提供とさ らなる向上に取り組んでいます。つまり今回のアップデートは、資源の源たるニューエデンの アステロイドのオーバーホールからORE艦のグラフィック刷新まで、徹底的にビジュアルにこ だわりました!
ビジュアル的土台
アステロイドとそこに含まれる資源はニューエデンの土台とも言える存在です。それゆえに、 この部分に革新をもたらすのは非常に困難な課題でした。
拡張コンテンツ「Catalyst」では、新たな採掘用駆逐艦や初心者を資源採掘の世界へと導くエ ピックアークが登場し、採掘者の皆さんの情熱を沸き立たせるアップデートが行われました。 このアップデートは、私たちがとある決断を下す格好の機会ともなりました。すなわち、長い 間ほとんど変わっていなかった採掘の土台となる部分と、標準的な資源アステロイドのビジュ アルの見直しです。
基本目標
アステロイドを刷新するにあたり、私たちはまずは以下の基本目標を設定しました:
モデルとテクスチャの改善を含む、よりリアルで高精細なビジュアル
サイズごとのモデルバリエーションの作成– 「一つのモデルを全サイズに流用」する手 法の廃止
鉱石の種類に応じたテクスチャバリエーションの拡充
最初のステップは、岩、クリスタル、アイスという従来の標準的な資源を整理することでし た。そのうえで、形状や特徴、そして上手くいっている部分と上手くいっていない要素を分析 しました。

すぐに浮上した問題は、ビジュアルのアニメ感が少々強く、さらにリアルにする余地があると いう点です。
これは含有している資源量に応じてアステロイドのサイズが変化するというシステムの、いわ ば副作用です。このシステムには、アステロイドが大きくなるとテクスチャ解像度と表面のデ ィティールが劣化してしまうという欠点があり、タイルテクスチャを使ってディティール感を 改善させることで対策していました。ただしタイルテクスチャや1024x1024の固定ピクセルテ クスチャは、アステロイドのサイズごとに変わらないため、小石サイズから岩、そして山のよ うに巨大なアステロイドに至るまで、見た目の質感が同じになってしまっていたのです。モデ ルもポリゴン数もテクスチャも変わらなかったからです。

この状況には、まったく違うアプローチが必要なのは明らかでした。
新たに生み出された、ハイポリの資源含有アステロイド
まず取り掛かったのは、まったく新しいハイポリ版の岩、クリスタル、そしてアイスのアセッ ト制作です。元々のアステロイドの感じや基本的な見た目は維持しつつ、ビジュアルとリアル さに関する現代的な水準を満たすことを目指しました。

今 回のアステロイドには、従来と同じくタイプ別に4つのバリエーションが存在します。ただ し、前述のサイズ対応の問題への対策として、小、中、大の新たなバリエーションを制作しま した。これにより以前はアステロイドのタイプ別に4種類しかなかったモデルが、今後は小サ イズが4種類、中サイズが4種類、大サイズが4種類に増え、計12種類のバリエーションが存在 することになります。

サイズのバリエーションを増やしたことで、アステロイドのサイズによって決まる全体的な形 状から、クリスタルや鉱石のディティール(今後は大きさだけでなく数や密度なども変化)ま で様々な点が改善されました。
例えば小さなアステロイドは、中・大サイズのアステロイドに比べて岩に対するクリスタルの 比率が大きくなり、規模が大きくなるほどクリスタルの数が増えます。

アイスに関しては、元のモデルがベースとするには不十分な状態だったため活用せず、様々な 資料をもとに、よりクラシックな氷山や山の尾根のような見た目を採用しました。

アステロイドのモデルは、一定範囲のサイズは引き続き縮尺の変化で対応し、特定のサイズに 達した時点でモデル自体が切り替わります。これは非常に効果的で、クリスタルやひび割れ、 タイルテクスチャなどのディティール要素が不自然に大きくなるのを防いでいます。

ハイポリとローポリ、そして実装可能なモデル作成
ハイポリのアステロイドの準備が整ったところで、それらをテクスチャのUV、岩/鉱石のマテ リアルエリアなどを含むゲーム内のローポリアセットに一括変換する現実的な方法を模索し始 めました。
そこで採用したのが3Dソフトウェア「Houdini」です。これによりメッシュ処理プロセスを事 前に作成し、ポリゴン数を減らしつつ、重要な形状とマテリアルの境界を維持できます。

Houdiniでは様々なアステロイドのタイプとその特徴的要素を扱うプリセットファイルを設定 可能で、これにより、UVなどのローポリアセットを作成したあとで、ハイポリ側のUV(ノー マルマップ、オクルージョンマップ、凹凸マップなど)の情報をベイクできました。

ベイク処理のあとは、サーフェステクスチャと組み合わせてアステロイドの表面を形成する、 各アセットの固有テクスチャを構築します。
新たにサイズ別の固有バリエーションを作成したことのもう一つの利点は、テクスチャのタイ ル設定をサイズ毎に設定できるようになった点です。これにより、アステロイドのサイズが大 きく/小さくなるのに合わせ、モデルとテクスチャの両方を変化させられます。
最終的に、岩らしいディティールを表現する際はほぼタイルテクスチャのみを使用し、ノーマ ルマップによる岩やクリスタルの全体的な形状の表現にはベイクした固有マップを使用しまし た。
アセット固有のテクスチャやタイリングを可能な限り抑えれば、メモリーの使用量を減らし、 浮いた分を個々のテクスチャの解像度向上に回せます。このアプローチは非常に効果的で、遠 距離と近距離どちらから見た場合でもアステロイドのビジュアルや質感がリアルに感じられま す。

アステロイドのサイズに関する計画
これまでの工程により、様々な量の鉱石を含み、様々なサイズに展開可能な、様々なアステロ イドのモデルを用意できました。次はいよいよ実装です。
すぐさま作業に取り掛かったグラフィックプログラマーたちは、動的なアステロイドタイプの システムを新たに作り上げました。
以前のシステムでは、アステロイドの各系列(ベルドスパーなど)のモデルを、4種類のグラ フィックIDグループの中からランダムに1つ選んでいました。現在も基本的に同じシステムを 使用していますが、機能を拡張し、好きなだけグループを追加できるようになっています。
グループとサイズの範囲は鉱石の種類ごとに設定されるほか、将来的に若干の調整を行う可能 性があります。
注意点として、今回のアップデートにより変化するのはアステロイドのビジュアルのみで、ゲ ームプレイへの影響は一切ありません。

ORE艦のビジュアルエフェクトとライティングのアップデート
また、EVEの艦船をアップデートする取り組みも進めており、今回はORE艦がその対象となり ました。ライティングとビジュアルエフェクトに焦点を当てたアップデートにより、対象艦の ビジュアルと質感が大幅に向上しています。












長年の開発を経て、艦船の制作方法は飛躍的に進化しています。そのため、以前に登場した多 くの艦船のライティングとビジュアルエフェクトは、現在よりも古い水準で作られています。
今回のアップデートではORE艦を現在の水準に近づけ、ライティングシステムの標準化をさら に進めることができました。以前、フリゲートを同様のアプローチで更新したように、今後も この取り組みを進めていきます。
親愛なるカプセラの採掘者の皆さん、良き航海を!
o7
